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卒業生メッセージ

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関東学院中高での学びを胸に、地域と共生する建築を求めて

#インタビュー #動画 #卒業生 #プリツカー賞 #建築

プリツカー賞受賞建築家(1963年度卒業生)

山本 理顕

 高校2年生の修学旅行で訪れた京都・興福寺で、夜の闇に浮かび上がる巨大な垂木を見た時の衝撃は今でも忘れられません。当時「尾垂木」という言葉は知りませんでしたが、その迫力に圧倒され、「こういうのが好きなんだ」と強く感じました。あの時の体験が、建築家としての私の原点です。

 私の建築に対する考え方は、常に周囲の環境やコミュニティとの関係性を重視することです。建物を設計する上で、隣に住む人々への配慮を第一に考え、周りの人々が喜んでくれるような建築を目指すべきだと考えています。依頼された建築に対しても、表面的な要望だけでなく、家族構成や生活スタイルなどを考慮し、住む人が本当に求める空間を提供することを心がけています。

 海外での活動にも長年力を入れています。特に、国づくりで課題を抱える国々のスラムを訪れ、街づくりを通して人々の生活を向上させるプロジェクトに取り組んでいます。マニラやグアテマラ、ベネズエラなどで、コミュニティ単位での住居建設やインフラ整備などを進め、建築を通じて人々のコミュニティを豊かにしていきたいです。

 横浜は私にとって慣れ親しんだ大切な場所。現在も事務所を構えています。近年では関東学院中高で講演を行うなど、母校とのつながりも大切にしています。関東学院中高での日々と、京都・興福寺での体験は、私の建築家としての人生を大きく左右した原点です。

  

  

<PROFILE>
1945年 北京生まれ
主な作品にGAZEBO、埼玉県立大学、公立はこだて未来大学、横須賀美術館、The CIRCLE チューリッヒ国際空港、名古屋造形大学などがある。
2024年には「建築界のノーベル賞」とも称される建築界で最も権威のある賞である「プリツカー賞」を受賞。